こそっと!プロが教える「お葬式」の極意

葬儀社に務める私がみんなが感じるお葬式の流れ・費用を抑える裏ワザ・用語マナー等書いちゃいます

亡くなった(死亡後)故人の銀行口座のお金は降ろせるの?

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故人の口座の凍結は銀行が名義人(死亡した故人)の死亡を確認してから

たまにお客様から質問を受けます。

「亡くなった父の口座からはお金が引き出せますか?」

「死んだら銀行の口座が凍結されるって聞いたんですが?」

「どんな手続きをしたらお金がおろせますか?」

 

結論から言うと

お金はおろせます

厳密に言うと

『銀行が名義人の死亡を知るまではおろせます』

(*法律的にはもちろん本人以外がカードで現金を引き出す事はダメです。まぁ生活の中で例えば旦那さんの給料が振り込まれて奥さんがカードでおろす事は日常でしょう?この場合のお金が降ろせると言うのはそう言う意味ですので、ご理解下さい)

 

ちょっとわかりずらいですよね。

銀行は名義人が死亡した事を知った時点で口座を使えないようにします。

んじゃ、いつ?どうやって知るの?って話です。

 

一般の感覚では病院で死んだらすぐに銀行が死亡を把握すると思いがちですがそんな事はありません。病院からも、葬儀社から銀行に報告やお知らせは一切しません。

 

本来は役所で死亡届が受理されて、年金や健康保険などの内部手続きなどいろんなプロセスが経て、年金などが振り込まれなくなったり、色んな取引が滞ったりした時点で知る訳です。

時間にすると早くても1ヶ月、遅いと半年、銀行と大した取引がないと全然気がつかないなんて事も。

 

「じゃあ何もしなくていいや」

って思っちゃいそうですが、そうはいきません。

その本来の方法以外に銀行が知る方法があります。

それは実はめっちゃアナログです。

 

A 近所の人から噂話からの確認

B 自営業などの人はお店の臨時休業の張り紙

C 新聞に載る訃報

D ご家族(遺族)本人から

上記の方法で知る。しかもこっちの方が多い!

ちょっと意外ですよね。

 

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口座を凍結させる原因はあなた本人です

上記のA〜Dのなかで一番多いのでは『Dご家族から』です。

ご家族(遺族)が銀行の窓口や電話で問い合わせてしまうからです。

 

「すいません、父が亡くなったんですがお金はおろせますか?」

 

お気持ちはわかります。銀行に確認したくなりますよね。

しかし、銀行の立場としては

「死亡を知ってしまった以上は、凍結をせざるを得ない」

って事になるんです。

だってカードでお金をおろすにしても、

「厳密にはカードは本人しか使えないハズ」

ですよね?

だから銀行も使用を認める訳には行かないんですよ。

更に故人の資産は相続の対象になります

(下記でもうちょっと詳しく説明します)

 

なので銀行に自ら死亡の報告する事になってしまう

「問い合わせ」

は決して得策ではありません。

 

銀行は別に敵でもないし味方でもない法律に従ってるだけ

 なんで今時こんなアナログな情報伝達が健在かと言うと

銀行は名義人の死亡を確認したら口座を凍結するのは、法律で決まってます。

しかし

「どうやって死亡を知るのか」

については決まった法規はないからです。

どんな経緯であろうが

「死亡を確認したら口座を凍結する」

ただそれだけ。

 

ここで理解して欲しいのは

銀行は別にムキになって名義人の死亡を知りたい訳ではない

銀行は別にムキになって名義人の口座を凍結したい訳ではない

って事です。

 

遺族に対する嫌がらせでも無ければ、故人の預金を奪おうって訳でもありません。

 

そもそも、銀行が死亡者の口座を凍結するの故人の資産を守る為にやってる事です。故人の資産は相続の対象になります。

同時に相続の権利のある方の資産を守るという事です。

なのでどんなタイミングでも銀行は

「どんな経緯であっても死亡を知ってしまったら凍結」

って訳です。

 

お金を引き出す時は家族の了解をとって置く事

それでは葬儀代金や病院代、その他の諸費用などを口座からおろす時の注意点です。

 

法廷相続人(相続を受ける権利のある人)に了承を得てから

 

お金を引き出しましょう。

それが例え、葬儀代金や病院代など故人の為に使うお金だとしてもです。

法定相続人全員の了承なしに、お金を引き出すと後で揉める原因になるからです。

結局のところ故人の貯金は相続人みんなのお金って事になる訳です。

 

ちょっと嫌な話ですよね。

法定相続人って言うのは、まぁ普通は兄弟だったり残された片方の親だったりするんで

「うちでは絶対揉めたりしないよ」って方が大半だと思いますが、何が起こるかわかりません、念には念を入れておいて損はないですよ。

 

*長々と上記しましたが、最近民法改正により相続人は一定金額であれは他の法定相続人に承諾なしに、故人の口座から預貯金を引き出す事が可能になりました。法定相続人の了承無しでも預金額の1/3まで(ざっくり上限150万円まで)引き出せるようになりました。

ただこれも注意点があります。(もううんざり?)

引き出した金額は、その引き出した人の相続分から差し引きますよって事です

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相続相関図

図の通りです。 民法改正してもやっぱり相続人みんなでよく話し合ってからお金は引き出した方がいいですね。

ただ法定相続人と連絡が付かないなど色んな事情がある方には朗報ですね。

 

葬儀の一括見積もり

まとめ

・亡くなった人の口座からお金は引き出せる

・銀行に自ら知らせないようにしましょう

・お金を引き出す時はみんなの承諾を得る事

以上です。

あー沢山の書いたんで疲れた。

多分誤字脱字がいっぱいありそうだけど、許してね。